投稿論文 短報
特発性腹腔内出血により出血性ショックに至った患者の超緊急帝王切開の麻酔経験
安藤 貴士
1
,
水野谷 和之
,
雨森 英彦
,
斉藤 仁志
,
森本 裕二
1北海道大学病院 麻酔科
キーワード:
Norepinephrine
,
Propofol
,
血漿
,
ショック-出血性
,
全身麻酔
,
胎児機能不全
,
帝王切開術
,
腹腔内出血
,
産科麻酔
,
赤血球輸血
,
Remifentanil
,
Rocuronium
,
緊急手術
,
新鮮凍結血漿
Keyword:
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Obstetrical
,
Fetal Distress
,
Shock, Hemorrhagic
,
Erythrocyte Transfusion
,
Norepinephrine
,
Hemoperitoneum
,
Propofol
,
Remifentanil
,
Rocuronium
,
Plasma
,
Plasma
,
Cesarean Section
pp.413-416
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021212664
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症例は30歳代の初産婦で、妊娠33週6日夜に下腹部痛を自覚し、翌早朝に救急外来を受診した。入院後に循環不全を認め、胎児機能不全もみられたため全身麻酔下での超緊急帝王切開を決定した。十分な酸素化ののちに、フェンタニル100μg、チアミラール300mg、スキサメトニウム60mgで麻酔導入し、レミフェンタニル0.1~0.3μg/kg/min、プロポフォール2~3.5mg/kg/hr、ロクロニウム20mg/hrを用いて全身麻酔を維持した。腹腔内に凝血塊を含む大量の出血を認めたが、手術開始後2分で胎児を娩出した。胎児娩出後も母体の循環不全の改善はみられず、腹腔内の検索により左内腸骨動脈分枝から活動性出血を認めたため外科的止血を行った。術後は挿管鎮静下でICUへ入室し、PRC 10単位、FFP 10単位、血小板濃厚液20単位を追加投与したのち、同日夕に抜管した。術後1日目に一般病棟へ転棟し、後遺症なく術後7日目に独歩退院となった。
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