投稿論文 短報
気道確保困難が予想された乳児舌根部甲状舌管囊胞の全身麻酔経験
本田 康子
1
,
佐々木 利佳
,
久保田 亮平
,
川上 正晃
,
山崎 光章
1富山大学附属病院 麻酔科
キーワード:
甲状舌管囊胞
,
喉頭鏡法
,
全身麻酔
,
気管内挿管法
,
X線CT
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
,
囊胞開窓術
,
電子内視鏡
Keyword:
Anesthesia, General
,
Laryngoscopy
,
Intubation, Intratracheal
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Thyroglossal Cyst
,
Remifentanil
,
Sevoflurane
pp.1068-1070
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033165
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2ヵ月男児。啼泣時の吸気性喘鳴を主訴に受診し、CTと咽頭ファイバースコープの所見から舌根部甲状舌管囊胞と診断、全身麻酔下に囊胞開窓術を行う予定となった。麻酔導入時の気道管理にあたり、喉頭蓋直上に大きな囊胞があるため直視型喉頭鏡で喉頭展開することは困難であり、エアウェイスコープ(AWS)で腫瘍を喉頭蓋ごと挙上すれば喉頭展開が容易になり、また腫瘍に直接圧力がかかりにくいため腫瘍の破裂や出血による誤嚥の危険性も回避できると考え、AWSを使用した。文献で甲状舌管囊胞の術後は喉頭浮腫の可能性を考慮して挿管下でICUに入った症例が散見されるが、本例では挿管操作が容易に行えたことや、手術時間が短かったこと、術後のファイバースコープで喉頭浮腫は認めなかったことなどから手術室での抜管を選択した。その結果、長期間の人工呼吸器管理を回避することができ、早期退院が可能であった。
Copyright© 2020 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.