投稿論文 短報
頸椎後彎による困難気道が予測できた症例に対しDams TuLip-iTMを用いて意識下気管支ファイバースコープ挿管が円滑に施行できた1症例
佐々木 友美
1
,
上嶋 浩順
,
樋口 慧
,
大嶽 浩司
1昭和大学病院 麻酔科
キーワード:
気管支鏡法
,
頸椎
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
気管内挿管法
,
挿管困難症
Keyword:
Spinal Fusion
,
Kyphosis
,
Intubation, Intratracheal
,
Bronchoscopy
,
Cervical Vertebrae
pp.623-626
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020306876
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84歳女。頸椎後彎に対して二期的手術(前方固定術、後方固定術)が予定され、今回、前方固定術を施行された。マスク換気困難と気管挿管困難が予想されたため、自発呼吸温存下で気管支ファイバースコープを挿管する方針とし、挿管の経路は経口とした。麻酔経過は、フェイスマスクを密着させて十分な酸素化を10分間行い、レミフェンタニルを持続投与しながらリドカインを口腔内に噴霧し十分に局所麻酔を行ったのち、口腔内にDams TuLip-iを挿入した。内径7.0mmのスパイラルチューブを径4.5mmの気管支ファイバースコープに通し、上方に固定し、気管支ファイバースコープをDams TuLip-iに沿って挿入した。モニターで声門を越えたことを確認し、スパイラルチューブを挿入した。挿入時に咳反射はなかった。気管挿管後、プロポフォールとロクロニウムを速やかに投与した。一連の手技は10分以内に円滑に行うことができ、手術は問題なく終了し、術後経過も良好であった。
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