投稿論文 短報
ANCA関連顕微鏡的血管炎による間質性肺炎と慢性腎臓病を合併した遠位弓部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の周術期管理
宮田 和人
1
,
重松 明香
,
大竹 裕志
,
木内 竜太
,
眞田 順一郎
1ニューハート・ワタナベ国際病院 麻酔科
キーワード:
大動脈瘤-胸部
,
周術期管理
,
肺炎-間質性
,
慢性腎臓病
,
顕微鏡的多発血管炎
,
ステントグラフト内挿術
,
胸部CT
Keyword:
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Microscopic Polyangiitis
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Perioperative Care
pp.173-176
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2020182768
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71歳男。間質性肺炎(IP)と慢性腎臓病を伴うANCA関連顕微鏡的血管炎の加療中に遠位弓部大動脈の嚢状瘤が増大し、手術目的で当院紹介となった。手術方法の選択にあたり、術後IP増悪因子の一つに「人工呼吸」があることから、人工呼吸管理を避けるために、どのような術式が可能か検討した。本例ではエンドリークを防ぐためにステントグラフトのランディングゾーンとしてzone 2に留置する必要があり、そのためには左鎖骨下動脈の血流を確保する必要があった。当院ではこのような症例に対して通常、右腋窩動脈-左腋窩動脈を人工血管でバイパスし、左鎖骨下動脈の血流を確保してステントグラフト内挿術を行うが、この術式では両鎖骨下を切開し、皮下に人工血管を通す必要があるため、全身麻酔管理が必要となる。そのため本例に対しては、小口径ステントグラフトを左鎖骨下動脈に留置後ステントグラフトを挿入するチムニー法を選択し、良好な結果が得られた。
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