特集 胸部の最新画像情報2017
診療
顕微鏡的多発血管炎(MPA)の胸部CT像の解析
何澤 信礼
1
,
広瀬 保次郎
,
難波 大夫
,
前田 伸治
,
不破 英登
,
小俣 真吾
,
北林 佑季也
,
浦野 みずき
,
中島 雅大
,
芝本 雄太
,
大久保 仁嗣
,
新実 彰男
1名古屋市立大学 放射線科
キーワード:
肺気腫
,
肺炎-間質性
,
肺出血
,
肺線維症-特発性
,
顕微鏡的多発血管炎
,
肺結節
,
胸部CT
,
すりガラス様陰影
,
肺炎-器質化
,
肺ブラ
Keyword:
Pulmonary Emphysema
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Microscopic Polyangiitis
,
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
pp.153-164
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017142930
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胸部CTを施行した31例(男性16名、女性15名、20~71歳)を対象とした。CT上、肺病変は27例で認め、間質性肺炎は19例(61.3%)で疑った。UIPパターンを示唆する蜂巣肺を含む斑状分布の小葉辺縁性線維化陰影を11例(35.5%)、慢性経過のすりガラス影または網状すりガラス状影c-NSIPパターンを3例(9.68%)、壁厚嚢胞・牽引性細気管支拡張などの線維化を示す所見を伴う網状すりガラス状影f-NSIPパターンを5例(16.13%)で認め、UIPパターンがNSIPパターンより高頻度にみられた。器質化肺炎あるいは巣状の感染性肺炎を疑うair-space consolidationや小葉間隔壁肥厚を各4例(12.9%)、小結節を8例(25.8%)で認めた。肺気腫/ブラは9例(29%)で、気管支拡張は6例(19.3%)、小葉中心性粒状/分岐影は5例(16.1%)、その他、縦隔リンパ節腫大が8例(25.8%)、胸水が5例(16.1%)、心嚢水が3例(9.68%)で認めた。病変分布は下肺胸膜直下などの外層分布が多くみられたが、上中肺の胸膜下にも散見された。
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