投稿論文 症例
透析患者の創傷治療における透析中高カロリー輸液療法の1例
稲田 享希子
1
,
岡本 年弘
1藤枝市立総合病院 形成外科
キーワード:
血液透析
,
バルーン血管形成術
,
肢切断術
,
術後合併症
,
ショック-敗血症性
,
腎不全-慢性
,
輸液療法
,
連鎖球菌感染症
,
軟部組織感染症
,
栄養失調
,
血管内治療
,
Streptococcus dysgalactiae
Keyword:
Amputation, Surgical
,
Renal Dialysis
,
Streptococcal Infections
,
Shock, Septic
,
Angioplasty, Balloon
,
Kidney Failure, Chronic
,
Postoperative Complications
,
Soft Tissue Infections
,
Malnutrition
,
Endovascular Procedures
pp.728-735
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022224311
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67歳男性。かかりつけの透析病院で発熱、左第III趾の黒色変化を指摘された。抗菌薬を投与されるも、血圧低下しショックバイタルとなり、近医の救急病院へ搬送後、左足部の軟部組織感染症の診断で当科へ紹介された。入院時のバイタル、血液検査、画像検査、身体所見から重症軟部組織感染症により敗血症性ショックに至ったと判断し、緊急デブリードマンが施行された。術後は抗菌薬、血液透析を行い、入院50日目に下腿切断術が予定された。本症例は十分な経口摂取ができない状態であり、術前に低栄養状態を呈したため、栄養補助療法として透析中高カロリー輸液を導入したところ、症状の安定が得られた。下肢切断術後は局所陰圧療法が行われ、良好な肉芽形成が得られ、入院212日目には義肢を装着して4点杖歩行で立位保持、自力歩行が可能となった。
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