臨床報告
羊膜移植による眼表面再建とインターフェロン療法で加療した眼瞼結膜悪性黒色腫の1例
花田 一臣
1
,
上原 治朗
,
三代川 斉之
,
西川 典子
,
栗山 周子
,
吉田 晃敏
1旭川医科大学 医工連携総研講座
キーワード:
組織移植
,
眼瞼腫瘍
,
眼科外科
,
結膜腫瘍
,
黒色腫
,
再手術
,
腫瘍再発
,
皮下注射
,
投薬計画
,
免疫組織化学
,
羊膜
,
Interferon Alfa-2b
,
Interferon-Beta
,
Mitomycin
,
致死的転帰
,
Melanoma-Specific Antigens
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Amnion
,
Conjunctival Neoplasms
,
Eyelid Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Injections, Subcutaneous
,
Melanoma
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Reoperation
,
Ophthalmologic Surgical Procedures
,
Tissue Transplantation
,
Mitomycin
,
Interferon-beta
,
Fatal Outcome
,
Melanoma-Specific Antigens
,
Interferon Alfa-2b
pp.575-580
発行日 2016年5月5日
Published Date 2016/5/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016286242
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80歳男。右下眼瞼結膜の黒色腫瘤に気づき受診した。生検で悪性黒色腫と診断し、全身検索で他部位に病巣は認めなかった。腫瘍は下眼瞼から球結膜まで達しており、眼球を温存しての根治的腫瘍切除は難しいと思われたが、眼球摘出は患者が拒否したため、姑息的に眼瞼腫瘍単純切除+耳介軟骨移植+結膜腫瘍切除+羊膜切除を行い、眼球は温存した。後療法としてIFN療法(1クールIFN-β300万単位皮下注射×5日間)を3ヵ月ごとに行った。8クール目施行後の観察中に腫瘍の再発を鼻側結膜に認め、腫瘍切除と羊膜移植を再度行った。IFN療法は10クールでいったん終了としたが、2度目の再発を生じたため、腫瘍切除を行い、後療法としてIFN療法を再開するとともにIFN-α2bの点眼を追加した。13クール目施行後の観察中に3度目の再発を生じ、腫瘍切除と羊膜移植を行った。初診後4年5ヵ月までにIFN療法を18クール施行し、初診後5年9ヵ月まで再発はなかったが、心不全を発症し、初診後6年2ヵ月で死亡した。
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