投稿論文 症例
シロリムスゲルの外用と植皮術を組み合わせて治療を行った結節性硬化症の顔面血管線維腫の1例
中山 大輔
1
,
尾崎 峰
,
雪野 彩乃
,
大島 直也
,
多久嶋 亮彦
1杏林大学 医学部形成外科
キーワード:
顔面腫瘍
,
結節性硬化症
,
人工皮膚
,
経皮投与
,
皮膚移植
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚腫瘍
,
血管線維腫
,
Sirolimus
,
Everolimus
Keyword:
Facial Neoplasms
,
Facial Dermatoses
,
Everolimus
,
Skin Neoplasms
,
Angiofibroma
,
Skin, Artificial
,
Administration, Cutaneous
,
Skin Transplantation
,
Tuberous Sclerosis
,
Sirolimus
pp.208-214
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157803
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症例は28歳男性で、顔面の血管線維腫を主訴とした。生後6ヵ月で結節性硬化症と診断され、27歳ころより鼻部病変部からの頻回な出血のため日常生活に支障をきたしていた。全身麻酔下に大きな腫瘍を中心に両側鼻翼部の病変を切除して皮膚欠損部に人工真皮を貼付し、フラジオマイシン硫酸塩貼付メッシュガーゼにてタイオーバー固定を行った。術後7日に顔面を机に強打して創部が凝血塊で覆われた状態となったが、タイオーバー固定は解除せず外来で経過観察した。術後3週に全身麻酔下に2回目の手術を施行した。鼻翼部の人工真皮を除去して左耳後部より採取した皮膚を用いて全層植皮を行い、タイオーバー固定を行い術後8日に解除した。術後1ヵ月時点で移植皮膚は良好に生着した。植皮部周囲の小病変に対してシロリムスゲルの外用を開始し、2ヵ月後には隆起性病変の平坦化を認めた。術後9ヵ月時点で血管線維腫の再増大や病変からの出血は認めず、良好に経過している。
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