投稿論文 調査
皮膚診療における亜鉛欠乏症の重要性
奥村 千香
1
1おくむらクリニック
キーワード:
亜鉛
,
欠乏性疾患
,
爪疾患
,
銅
,
皮膚炎
,
皮膚症状
,
基準値
Keyword:
Skin Manifestations
,
Nail Diseases
,
Zinc
,
Reference Values
,
Deficiency Diseases
,
Copper
,
Dermatitis
pp.456-461
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212512
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感染や創傷を伴う皮膚炎や炎症後色素沈着症、爪甲の形態異常を有する120例を対象に、血清亜鉛と血清銅を測定した。その結果、血清亜鉛の検査結果では潜在性亜鉛欠乏症が全体の71%を占め、その他に欠乏症が12%、基準値を満たしていない症例が17%であった。基準値を超えた症例は認められなかった。一方、血清銅の検査結果では基準値を下回る症例はなく、94%が基準値の範囲内であった。他の6%は基準値を超えていた。血清亜鉛、血清銅ともに基準値であった症例は17%、血清亜鉛が低値で血清銅が高値であった症例は6%、血清亜鉛が低値で血清銅が基準値であった症例は77%であった。また、血清銅が基準値よりかなり高い症例は血清亜鉛が不足していた。血清亜鉛を測定し補充していくことで、感染を防止し、創傷治療を促すことが出来ると考えられた。
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