投稿論文 症例
下腿切断時にICG蛍光造影を用いたspare parts surgeryで膝関節を温存し得た1例
矢持 良
1
,
杉本 佳陽
,
金 晴恵
,
貴島 顕二
1京都第二赤十字病院 形成外科
キーワード:
Indocyanine Green
,
下肢外傷
,
外科的皮膚弁
,
肢切断術
,
膝関節
,
術中モニタリング
,
洗浄療法
,
デブリードマン
,
X線CT
,
皮膚移植
,
蛍光血管撮影
,
剥脱損傷
,
Spare Parts Surgery
Keyword:
Amputation, Surgical
,
Fluorescein Angiography
,
Degloving Injuries
,
Surgical Flaps
,
Therapeutic Irrigation
,
Leg Injuries
,
Knee Joint
,
Monitoring, Intraoperative
,
Skin Transplantation
,
Indocyanine Green
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Debridement
pp.196-201
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157801
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は37歳男性で、交通外傷にて両下肢をトラックに轢かれ救急搬送された。右下肢はGustillo IIICの開放骨折、左下肢はGustillo IIIBの腓骨開放性骨折、足関節開放性脱臼であり、緊急大腿切断術を施行した。左下肢は挫滅した腓腹筋をデブリードマンし創洗浄を施行したが、受傷後5日に壊死性筋膜炎を認め、切開とデブリードマンを施行し連日の洗浄を開始した。その後右大腿では切断端の皮膚壊死、左下腿では皮膚壊死、ヒラメ筋・腓腹筋の融解、脛骨の露出を認めたため、受傷後40日に左下腿の切断術および右大腿への植皮術を施行した。下腿は膝関節から10cm遠位レベルで切断し、皮弁挙上後、ICG蛍光造影検査を用いて足底と下腿前面に残存する皮膚軟部組織をspare partsとして使用し、骨断端を被覆した。左下腿と右大腿の潰瘍創には網状の分層植皮を行った。皮弁は生着し、術後2ヵ月で両側義足での歩行訓練を開始し、術後5ヵ月で杖歩行が可能となった。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.