投稿論文 症例
フッ化水素ナトリウムによる指尖部化学熱傷の1例
藤田 悠気
1
,
芳賀 康史
,
泉 日輝
,
手口 円花
,
佐々木 正浩
1水戸済生会総合病院 形成外科
キーワード:
Calcium Gluconate
,
Gentamicins
,
Sodium
,
熱傷-化学的
,
手指外傷
,
洗浄療法
,
皮下注射
,
経皮投与
,
フッ化水素酸
,
指ブロック
Keyword:
Burns, Chemical
,
Gentamicins
,
Finger Injuries
,
Sodium
,
Administration, Cutaneous
,
Therapeutic Irrigation
,
Injections, Subcutaneous
,
Hydrofluoric Acid
,
Calcium Gluconate
pp.783-789
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020306678
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症例は48歳男性で、当院初診日前日の12時頃、さび止め作業で使用していたフッ化水素ナトリウム含有の業務用洗剤が手袋を通して右母指と右示指に触れたが、そのまま15時頃まで作業を継続した。17時頃から疼痛が出現するも自宅で様子をみていた。激しい疼痛となったため、受傷翌日の未明に当院救急外来に搬送された。肉眼所見に比べ著しく強い自発痛を認めたことから、フッ化物イオン(F-)曝露による特徴的な症状と考え、フッ化水素曝露時の治療に準じて処置を行った。1%リドカインで指神経ブロックを行った後、部分的に抜爪した。母指では爪床の一部壊死を認めた。生理食塩水で洗浄した後に、8.5%グルコン酸カルシウム液を生理食塩水で5%に希釈し、27G針を用いて受傷指の指尖部に局所皮下注射した。初診日の翌日には疼痛は消失し、受傷後27日には創部は閉鎖していた。
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