特集 手指の皮膚病
臨床例
グルコン酸カルシウム動注療法で加療したフッ化水素酸による化学熱傷
上條 広章
1
,
宮川 卓也
,
丸 陽美
,
増井 友里
,
宮垣 朝光
,
佐藤 伸一
1東京大学 医学部皮膚科・皮膚光線レーザー科
キーワード:
Calcium Gluconate
,
熱傷-化学的
,
手指
,
疼痛
,
皮膚疾患-手部
,
フッ化水素酸
,
橈骨動脈
,
動脈内投与
Keyword:
Burns, Chemical
,
Calcium Gluconate
,
Fingers
,
Hand Dermatoses
,
Hydrofluoric Acid
,
Pain
,
Radial Artery
pp.981-984
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016019651
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<症例のポイント>フッ化水素酸による化学熱傷は、激しい疼痛や重篤な組織障害がみられるため迅速かつ適切な処置が必要となる。フッ化水素酸による右手第I~IV指の化学熱傷で受診し、初期治療としてグルコン酸カルシウム局注および外用を行ったが疼痛が改善せず、入院のうえ右橈骨動脈から逆行性にグルコン酸カルシウムを動注することにより著明に疼痛が改善した1例を経験した。疼痛が激しく、深部組織障害が疑われる場合は速やかにグルコン酸カルシウム動注を検討すべきと考えた。手指の場合、橈骨動脈からの動注が有効である。橈骨動脈へのアプローチ方法はいくつかあるが、体表より逆行性にテフロン針を挿入し動注する方法は簡便で侵襲性が低く有用であると考えた。
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