特集 手の皮膚病
臨床例
硝酸による化学熱傷
川島 英恵
1
,
古田 淳一
,
大塚 藤男
,
藤本 学
1筑波大学 医学群医療系皮膚科
キーワード:
Clobetasol
,
Silver Sulfadiazine
,
熱傷-化学的
,
手外傷
,
鑑別診断
,
治療的洗浄
,
経皮投与
,
硝酸
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Burns, Chemical
,
Diagnosis, Differential
,
Clobetasol
,
Hand Injuries
,
Therapeutic Irrigation
,
Silver Sulfadiazine
,
Nitric Acid
pp.1061-1064
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016042835
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<症例のポイント>仕事中に硝酸が手にかかり、受傷部位の皮膚が黄褐色に変色し、潰瘍を形成した。硝酸は強酸性の物質で、皮膚に接触すると、蛋白とキサントプロテイン反応をおこし皮膚が黄褐色に変色する。治療は、すぐに流水で洗浄することが大事である。ステロイド外用と潰瘍部にはスルファジアジン銀クリーム外用を行い、受傷2週間後に黄変は消失し、受傷3週間後に上皮化した。皮膚に特徴的な変化を引きおこす化学薬品を知っていれば、接触した薬品を推測することができ、適切な対応が可能になる。
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