投稿論文 症例
耳下腺原発oncocytomaの1例
常田 沙紀
1
,
福田 健児
,
宮崎 裕子
,
大橋 寛嗣
1市立池田病院 形成外科
キーワード:
腺腫-好酸性
,
耳下腺腫瘍
,
拡散MRI
Keyword:
Parotid Neoplasms
,
Adenoma, Oxyphilic
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.790-793
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020306679
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症例は83歳男性で、数年前より右頬部に無痛性の腫瘤を自覚していたが、徐々に増大してきたため精査治療目的で当科紹介となった。初診時、右頬部に約2cm大のやや硬い腫瘤を触知した。単純MRIにて右耳下腺内にT1強調像で等信号、T2強調像で等信号に高信号が存在する約2cm大の腫瘤性病変を認めた。耳下腺原発の多形腺腫を疑い、受診後39日に全身麻酔下に耳下腺腫瘍摘出術を施行した。顔面神経本幹を同定し、その分枝を確認温存しながら周囲に耳下腺組織をつけて腫瘍を摘出した。腫瘍は周囲組織への癒着はみられず、容易に剥離摘出が可能であった。病理組織学的所見では、HE染色により薄い線維性被膜を有し、内部には好酸性細胞質を有する腫瘍細胞が充実性に増殖し、スリット状に線維血管間質を伴っているのが認められた。これにより、耳下腺原発のOncocytomaと診断した。経過良好にて術後4日に退院し、術後2年6ヵ月経過した現在まで腫瘍の再発を認めていない。
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