投稿論文 症例
熱傷を契機に川崎病を発症した1例
永本 久貴
1
,
谷 裕美子
,
土屋 裕一
,
片岡 貴昭
,
高橋 努
1慶應義塾大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
Aspirin
,
Cefaclor
,
Cefazolin
,
フローサイトメトリー
,
IgG
,
熱傷
,
心エコー図
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
川崎病
,
大量薬物療法
,
静脈内注入
Keyword:
Aspirin
,
Burns
,
Echocardiography
,
Flow Cytometry
,
Administration, Oral
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Mucocutaneous Lymph Node Syndrome
,
Drug Therapy, Combination
,
Cefaclor
,
Cefazolin
pp.775-782
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020306677
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症例は1歳2ヵ月男児で、急須に入った熱湯により、左頬~前胸部、左上腕にかけて熱傷を受傷し、当院救急外来を受診した。受傷後3日に熱源精査と創部の処置目的に当科併診のうえ小児科へ入院となった。血液、尿、髄液の細菌培養は陰性であったが、創部培養からメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され、後に毒素性ショック症候群毒素(TSST-1)産生株であることが判明した。創部の臨床所見に見合わない発熱が持続し、経過中に順次、紅斑や四肢末梢の浮腫、心膜液貯留などの症状が出現し、川崎病と診断した。受傷後13日より免疫グロブリン静注療法およびアスピリン内服を開始した。その後、心臓エコー検査で心膜液は消失し、創部も順調に上皮化したため、受傷後21日に退院となった。受傷後9ヵ月現在、左肩に1×2cm程度の肥厚性瘢痕を認めるのみであり、瘢痕拘縮は認めない。
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