投稿論文 経験
局所麻酔下にSCIP flapを用いて足部の再建を行った症例の検討
林田 健志
1
,
山川 翔
,
白神 英莉
1島根大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
壊死
,
局所麻酔
,
術後合併症
,
デブリードマン
,
足部損傷
,
糖尿病性足部疾患
,
手術時間
,
遊離皮弁
Keyword:
Anesthesia, Conduction
,
Diabetic Foot
,
Necrosis
,
Postoperative Complications
,
Debridement
,
Foot Injuries
,
Operative Time
,
Free Tissue Flaps
pp.768-774
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020306676
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全身麻酔下の手術が不可能であった患者に対して、局所麻酔下に浅腸骨回旋動脈穿通枝皮弁(SCIP flap)を用いて足部の再建を行った症例について検討した。足部の皮膚軟部組織欠損に対して局所麻酔下にSCIP flapを移植した5例(男性4例、女性1例、年齢29~61歳)を対象とした。皮弁の大きさは最小6×6cm、最大6×14cmで、平均手術時間は4時間8分であった。術中の血管攣縮は認めなかった。皮弁は全例生着したが、1例はうっ血で皮弁辺縁が部分壊死となっていた。それぞれの患者の足部と採取部両方に用いた麻酔薬の合計使用量は平均38.6mLで、全例において術中や術後に麻酔薬に伴う合併症は認めなかった。術後3~4週で退院し、潰瘍の再発などを認めた症例はなかった。さらに本稿では、34歳男性の症例について詳述した。侵襲の少ない局所麻酔下の遊離皮弁移植は、足のみでなく他部位においても今後普及が望まれる再建手術法であると考えられた。
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