投稿論文 症例
異物刺入後60年を経過して発症したpencil-core granulomaの1例
黒田 正義
1
,
飯田 輝代
,
福田 貴巳佳
1東大和病院 形成外科
キーワード:
手指外傷
,
Graphite
,
X線CT
,
肉芽腫-異物
,
事務用品・文房具
Keyword:
Finger Injuries
,
Graphite
,
Granuloma, Foreign-Body
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.640-645
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276496
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68歳女。右中指の腫脹を主訴とした。右中指の爪上皮の剥けた皮膚を抜いた後に主訴が出現し、近医で2度切開排膿されるも改善せず、紹介受診時には右中指DIP関節背側やや遠位に僅かに隆起した黒色の腫瘤状病変(3mm径)を認め、末節部背側は全体に発赤・腫脹していた。60年前に同部位に誤って鉛筆の芯を刺したが、抜去された記憶はなく、単純X線、CT画像では右中指DIP関節背側の皮下に線状の高信号域を認めた。鉛筆の芯を除去し、軟らかい黒色管状を呈する病変(全長約50mm)を切除したところ、病理組織学的所見では芯が封入されていた内腔の周囲に黒色粒状物質の沈着および血管新生を伴う膠原線維や瘢痕組織の増生を認め、pencil-core granulomaと診断した。
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