症例
毛巣洞より生じた有棘細胞癌の1例
大垣 淳
1
,
石綿 夏織子
,
乙部 さやか
,
大原 國章
,
吉野 公二
1がん・感染症センター都立駒込病院 皮膚腫瘍科
キーワード:
皮膚移植
,
皮膚腫瘍
,
扁平上皮癌
,
毛巣洞
,
リンパ節郭清
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lymph Node Excision
,
Pilonidal Sinus
,
Skin Neoplasms
,
Skin Transplantation
pp.103-106
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016149800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
52歳男。20年前から仙骨部毛巣洞の摘出術を複数回施行されたが、数年前より同部位から排膿を繰り返していた。6ヵ月前より同部位に増大する腫瘤を自覚し、その後、両側鼠径部にしこりを生じたため当科を受診した。初診時、仙骨部正中に12cm大、乳頭状で紅色~褐色の辺縁不整な隆起性局面がみられ、腫瘍の尾側には瘻孔の形成と排膿を認めた。造影MRIで背部の皮膚に不整な肥厚がみられたが、明らかな筋肉・骨への浸潤はみられず、全身麻酔下で拡大切除術、欠損部の分層植皮術を行った。病理組織学的に毛巣洞より生じた有棘細胞癌と診断された。術後2年6ヵ月経過した現在、局所再発やリンパ節転移、他臓器転移はみられない。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.