症例
遺伝子組換え第Ⅸ因子の補充療法を行い,大量出血なく経過した血友病B保因者の1分娩例
西森 敬司
1
,
曽和 正憲
1
,
結木 宏行
1
,
芳山 恵
2
,
飯島 文憲
2
,
津田 忠昭
3
1国保日高総合病院産婦人科
2同 小児科
3同 血液内科
pp.797-803
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000075
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血友病B とは,凝固第Ⅸ因子の量的・質的異常症であり,血友病A とともにX 連鎖劣性遺伝形式を示す先天性凝固障害症である。血友病患者は通常男性であり,女性は保因者になりうる。今回われわれは,比較的稀な,凝固第Ⅸ因子が低値を示す血友病B 保因者の分娩を経験した。分娩開始時から,遺伝子組換え凝固第Ⅸ因子の予防的補充投与を行うことにより,妊婦は大量出血なく分娩を無事終えた。本症例は,大量出血のリスクのある血友病B 保因者の分娩に対し,遺伝子組換え凝固第Ⅸ因子を用い補充療法を施行したわが国初の症例である。
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