連載 公衆衛生の Controversy
遺伝子組換え食品は安全か
遺伝子組換え食品は安全性評価/遺伝子組換え食品の安全性とメリットは,もっと吟味されねばならない
三木 朗
1
1厚生労働省食品保健部監視安全課
pp.618-619
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902981
- 有料閲覧
- 文献概要
現在,厚生労働省においては,組換えDNA技術を用いて作られた植物(農作物)および組換え体からつくられた添加物を対象として,「組換えDNA技術応用食品・添加物の安全性審査基準」に基づき,科学的に安全性審査を行っている.従来,これらの食品などについてはガイドライン(行政指導)による評価を行ってきたが,平成13年4月1日からは食品衛生法に基づく義務となったものである.
審査の手続きとしても,申請者(開発者であることが多い)は,審査基準の各項目について記載したデータなどとともに申請書を提出し,この申請を受けた後に,厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会に諮問し,審議会の意見を聴きながら,安全性審査を行うもので,この過程において,植物バイオや毒性,アレルギーなどの専門家による最新の知見に基づくデータの評価が行われている.当然のことながら,データに不明な点があれば申請者に照会し,回答を求めるとともに,不十分な場合には必要に応じた追加試験や再試験の実施を求めている.この審査基準に基づき,現在,除草剤の影響を受けない大豆やとうもろこしなど35品種の食品および7品目の添加物について,人の健康に影響がないことを確認している.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.