症例
子宮動静脈瘻を伴った胎盤部トロホブラスト腫瘍の1例
西村 杏子
1
,
吉田 隆之
1
,
木村 和彦
1
,
角田 力彌
2
,
刑部 光正
3
1米沢市立病院産婦人科
2同 病理診断科
3山形県立中央病院病理診断科、岩手医科大学医学部病理診断学講座
pp.793-798
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000074
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胎盤部トロホブラスト腫瘍は着床部中間型栄養膜細胞に由来する腫瘍で,血管内皮下に増殖し,子宮筋層の血管に浸潤・破壊することで動静脈瘻を形成することがある。症例は32 歳,4 経妊3 経産。産後1 年10 カ月に経腟超音波検査で子宮筋層内に囊胞状に怒張した血管と豊富な血流を認め,子宮動静脈瘻の術前診断で子宮摘出を行った。病理学的検索により胎盤部トロホブラスト腫瘍による二次性の動静脈瘻と考えられた。子宮筋層内に動静脈瘻と考えられる病変を認めた場合,臨床像や血清hCG 値などから,その形成原因を精査する必要がある。
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