検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
リンパ球のブラスト化
螺良 英郎
1
,
中山 拓郎
1
,
三井 真木子
1
1徳島大学第3内科
pp.533-536
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202085
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫系は体液性免疫をあずかるB細胞(Bone marrow derived cell)と細胞性免疫をあずかるT細胞(Tymus derived cell)から構成されている.またB細胞とT細胞が固有の多くの機能を発揮するためにはNonocyte-Macrophage系の関与が必要である.更にT細胞はsuppressor T細胞,helper T細胞,cytotoxic T細胞,リンフォカイン産生のTdTH細胞などに分けられ,免疫応答はこれらの細胞群の複雑な,しかしバランスのとれた相互作用により行われ,調節されている(図1).
生体内(in vivo)でリンパ球は特異抗原で刺激を受けると対応するリンパ球は形態学的に幼若化し,分裂,増殖を起こす.この現象をリンパ球幼若化反応(Lymphocyte blastotransformation)と言い,機能的により分化したリンパ球となり遺伝子によりプログラムされたそのリンパ球固有の機能を発揮する.すなわち休止期にあったT細胞は細胞性免疫を担うeffector T細胞―suppressor T細胞,helper T細胞,amplifier T細胞,cytotoxic T細胞,DTHに関するT細胞などに分化する.また休止期にあったB細胞はT細胞による調節作用を受けながら抗体産生細胞(形質細胞)へと分化する(図2).
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.