症例
腫瘍崩壊症候群により急性腎不全をきたしたと考えられる悪性腫瘍合併妊娠の1例
湊 敬廣
1
,
佐々木 恵
2
,
黒澤 靖大
1
,
佐藤 孝洋
3
,
大塩 清佳
1
,
徳永 英樹
1
,
西郡 秀和
1
,
杉山 隆
4
,
八重樫 伸生
1
1東北大学医学部産科婦人科
2石巻赤十字病院産婦人科
3坂総合病院産婦人科
4愛媛大学医学部産科婦人科
pp.251-256
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000019
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腫瘍崩壊症候群(TLS)は化学療法に感受性の高い造血器腫瘍で発症しやすく,高尿酸血症や高カリウム血症および急性腎不全などを引き起こす致死的な病態である。固形がんでも発症することがあるが,その頻度は稀である。また妊娠中のTLS の発症も現在まで2 例の報告しかなく,いずれも造血器腫瘍であった。今回,妊娠中の固形がんによりTLS を発症した非常に稀な症例を経験した。TLS は予防が重要であるが,万一発症した場合には迅速な診断および治療が,その後の予後を左右するポイントとなる。
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