特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
薬物療法に伴うオンコロジーエマージェンシー
腫瘍崩壊症候群
桐戸 敬太
1
1山梨大学医学部血液・腫瘍内科
キーワード:
腫瘍崩壊症候群
,
尿酸
,
rasburicase
,
febuxostat
Keyword:
腫瘍崩壊症候群
,
尿酸
,
rasburicase
,
febuxostat
pp.1621-1624
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1621
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Summary
▪腫瘍崩壊症候群は,治療により多量の腫瘍細胞が急激に破壊されることで発症する.これにより上昇した尿酸を主体とする代謝産物によって急性腎不全などが発症し,ときに致死的となる.
▪マネジメントとしては,適切なリスク評価と予防を行うことが重要である.
▪近年,分子標的治療薬や抗体製剤など抗腫瘍効果の高い薬剤が登場したことにより,従来低リスクと考えられていた疾患においても腫瘍崩壊症候群の合併例が増加しており,注意が必要である.
▪予防策は,十分な補液と尿酸値のコントロールが中心となる.
▪高尿酸血症治療薬については,それぞれの薬理作用を理解し,適切に使用することが求められる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019