特集 産婦人科医が知っておきたい 女性アスリートの生涯サポート
総論
2.「女性アスリートの三主徴」と「スポーツにおける相対的エネルギー不足」
田口 素子
1,2
M. Taguchi
1,2
1早稲田大学スポーツ科学学術院(教授)
2早稲田大学スポーツ栄養研究所(所長)
pp.735-741
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003474
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
発行機関は異なるものの,「女性アスリートの三主徴」と「スポーツにおける相対的エネルギー不足」という2つの概念が提示されている。生体内で利用できるエネルギーが不足した低エナジーアベイラビリティー(LEA)の状態に慢性的に曝露されると,競技種目,競技レベル,性別などを問わず,内分泌,エネルギー代謝,骨代謝などの様々な生理機能が阻害され,パフォーマンスにも影響を及ぼすことが知られている。最近ではエナジーアベイラビリティー(EA)のカットオフ値は用いられず,LEAの結果として起こる心身の徴候を早期にみつけて対策することが大切である。予防のために専門家が連携し,1日のエネルギー消費量に見合うエネルギー摂取ができるようアスリートを教育する必要がある。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.