症例
腹腔内出血に対し審査腹腔鏡を施行し大網妊娠と診断した1例
辻本 晶紀
1
,
鷲尾 佳一
1
,
園田 あゆみ
1
,
前田 美亜
1
,
宮下 幸一
1
,
森内 航生
2
,
西野 由香里
1
,
西島 光浩
1
A. Tsujimoto
1
,
K. Washio
1
,
A. Sonoda
1
,
M. Maeda
1
,
K. Miyashita
1
,
K. Moriuchi
2
,
Y. Nishino
1
,
M. Nishijima
1
1兵庫県立淡路医療センター産婦人科
2神戸大学医学部附属病院産婦人科
pp.719-722
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003461
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腹腔妊娠は異所性妊娠の約1%を占め,大網妊娠はさらにまれな疾患であり,術前診断が困難で死亡率が高い。本症例は29歳女性が右下腹部痛で受診し,尿中ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)定性検査が陰性であることを確認して行ったCT検査で,右卵巣出血と血性腹水を指摘された。入院後,腹部症状の増悪と貧血進行を認め審査腹腔鏡を実施した。右卵管と大網の癒着部に活動性出血を伴わない5cmの血腫様腫瘤を認め切除し,病理検査で絨毛組織が検出され大網妊娠と診断した。尿中hCG定性検査が陰性でも異所性妊娠を鑑別に挙げ,原因不明の腹腔内出血に対し早期に審査腹腔鏡を行うことが重要である。

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