症例
診断が困難であった妊娠初期の腹腔内出血に対し腹腔鏡手術を施行した症例
清水 美代
1
,
田村 祐子
1
,
渡邉 愛
1
,
加藤 淑子
1
,
福岡 正晃
1
1済生会京都府病院産婦人科
pp.175-178
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210581
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▶要旨
妊娠初期の急性腹症の原因として,異所性妊娠,子宮付属器腫瘍の捻転や破裂,流産などが考えられる.今回,妊娠初期の急性腹症に対し腹腔鏡手術を行った症例を経験した.患者は多量の腹腔内出血を発症しており,腹腔鏡により性交による後腹膜の裂創からの出血であると推測された.その後,子宮内に胎囊を確認し,妊娠経過は問題なく出産に至った.妊娠初期の腹痛,腹腔内出血の診断に苦慮することは時に経験するが,さまざまな可能性を考慮しなければならないこと,手術の必要性,タイミングについてもあらためて考えさせられた.
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