特集 発展する子宮鏡Ⅱ―診断から治療,そしてオフィス手術へ
新技術・デバイス
1.組織回収デバイスと自動灌流装置
野見山 真理
1,2
M. Nomiyama
1,2
1高木病院(副院長)
2同 産婦人科(部長)
pp.579-584
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003418
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近年,子宮鏡機器は細径化し,非通電性の組織切除回収システムが普及している。組織切除回収システムは,生理食塩水による持続灌流下に組織を粉砕切除と同時に吸引する仕組みである。熱損傷の回避,手術時間短縮,ラーニングカーブが短いなどの利点を有する。適応として,子宮内膜ポリープ,3cm以下の有茎性粘膜下筋腫,血流のない受胎残留物(RPOC)除去などが挙げられる。各社の機器には異なる特徴がある。組織切除回収システムは安全性が高い新技術であるが,灌流液の管理には十分な注意が必要である。自動灌流装置は灌流液の過剰吸収リスクを低減し,安全性向上に寄与する。海外では使用が推奨されており,日本でも普及が求められる。

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