知っておきたい検査機器
自動染色装置—病理組織標本用
北條 昭次
1
1サクラ精機(株)研究開発部
pp.255-257
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201589
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現在市販されている染色装置には,ヘマトキシリン・エオジン染色用,パパニコロウ染色用,メイ・ギムザ及びライト・ギムザ染色用など何種類かの機種があるが,これは検体の種類により各々の染色法の間に染色時間,液槽数,液加温の要不要などの点で違いがあるためである.自動染色装置には図1のように染色時間,染色液濃度,液槽数を調節して要求に合った染色に調整することができるタイプと,一部外国製品にあるように,指定の専用染色液を使用し,あらかじめ設定された染色時間でのみ染色を行うタイプとがある.実際には行おうとしている染色の色調や濃さなどについて微妙な調節を行いたい場合には前者のように調節のできる装置は便利であり,またヘマトキシリン・エオジン染色用の装置であってもパパニコロウ染色用,ギムザ染色用にも一部のタイマーを取り替えることにより使用できる.いずれにしても,標本を染色するということが細胞や組織を形態学的に観察するための手段であることを考えれば,染色装置に不可欠なことは,染色効果が良好なこと,仕事の省力化,能率化が実現されることなどである.以下,病理組織用の自動染色装置の一例として,図1の装置を取り上げて解説したい.
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