検査ファイル
自動染色機—主に自動免疫組織染色装置について
辻 香織
1
,
島田 智子
1
1帝京大学医学部附属病院病理部
pp.643
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902452
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今日,中央検査部においてさまざまな自動機器が使用されているが,病理部でも自動固定包埋装置,自動細胞収集装置や自動染色機は,ほとんどの施設にみられる.しかし病理検査室業務は,生化学などの検査部門に比べると人手に頼らざるを得ない部分が多く,また熟練を必要とする作業(薄切・特殊染色・細胞診断)が多いなどの特徴があり,自動化は必ずしも容易ではない.今回のテーマ“自動染色機”は決して新しい機器ではないが,まずその種類と機能について述べる.
現在市販されている自動染色機は大きく3つに分類される.それらは,①各染色槽ヘスライドグラスが等時間で移動するもの(細胞診のパパニコロウ染色用),②各染色槽への移動時間を自由に設定できるもの(パパニコロウ染色と組織診のヘマトキシリン・エオジン染色用),③スライドグラスは移動せず染色液が自動的に交換され,その交換時間は自由に設定可能で,さらに処理温度も選択できるもの(免疫組織染色用)である.この中でも③のタイプ(自動免疫組織染色装置)は,比較的最近市販され,今後さらに普及していくと考えられるので,免疫組織化学染色をめぐる状況について説明した後,この染色機の特徴を述べる.
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