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マターナルワクチン 第2回 RSウイルスのマターナルワクチン
山田 秀人
1
H. Yamada
1
1医療法人渓仁会手稲渓仁会病院不育症センター(センター長)
pp.403-407
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003364
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2024年5月末からRSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)が一般診療でも施行可能となった。2025年2月1日,このワクチンのphase 3 MATISSE(Maternal Immunization Study for Safety and Efficacy)maternal vaccination trialの結果が発表された。乳幼児における診療を要するRSウイルス関連の重症の下気道疾患の予防効果として,生後90日以内で82.4%,生後180日以内では70.0%のワクチン効果が認められた。安全性にかかわる新たな問題は認められなかった。この最終解析によって,本ワクチンの母子への安全性と生後6カ月以内の乳幼児におけるRSウイルス関連の下気道疾患に対する予防効果が確認された。RSウイルス母子免疫ワクチンは,母体免疫応答を強く誘導し出生児に高いRSウイルス中和抗体価をもたらす。

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