症例
母体軽傷にもかかわらず,胎児に脳損傷をきたした妊娠後期の交通外傷の1例
横田 貴子
1
,
桝本 咲子
1
,
田中 政彰
1
,
杉原 啓一
2
,
谷口 義弘
2
T. Yokota
1
,
S. Masumoto
1
,
M. Tanaka
1
,
K. Sugihara
2
,
Y. Taniguchi
2
1福井県立病院産婦人科
2同 小児科
pp.97-101
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003283
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症例は23歳,3妊1産。妊娠32週,運転中に対向車と正面衝突し当院へ救急搬送となった。母体外表に目立った損傷は認めず,内診や経腹超音波検査でも異常所見を認めなかったが,胎児心拍数モニタリングで遷延一過性徐脈を認め,胎児機能不全と判断して緊急帝王切開術を施行した。出生後に児の重篤な頭部損傷が判明した。母体軽症にもかかわらず,胎児の重篤な頭部損傷が生じた原因として,運転手が妊娠後期の骨盤位妊婦であったことが関与していると推察された。
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