症例
アロマターゼ阻害薬内服中にもかかわらず血清エストロゲンが分泌されたことにより発見されたエストロゲン産生性悪性ブレンナー腫瘍の1例
猪鼻 和歌子
1
,
片倉 雅文
2
,
森 つばさ
2
,
神谷 美緒
2
,
波平 制士
2
,
中熊 正仁
2
,
江澤 正浩
2
,
青木 千津
2
W. Inohana
1
,
M. Katakura
2
,
T. Mori
2
,
M. Kamiya
2
,
T. Mamihira
2
,
M. Nakakuma
2
,
M. Ezawa
2
,
C. Aoki
2
1上尾中央総合病院初期研修医
2同 産婦人科
pp.102-107
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003284
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エストロゲン産生を伴う悪性ブレンナー腫瘍は非常にまれな疾患である。76歳女性,乳癌術後,アロマターゼ阻害薬内服中に既知の子宮筋腫の増大を契機に指摘された充実性,囊胞性混在の骨盤内腫瘍の精査中に血清エストロゲンの上昇を認めた。骨盤内腫瘍摘出術後に卵巣の悪性ブレンナー腫瘍と判明し,血清エストロゲンは測定感度以下に低下した。閉経後女性で既知の子宮筋腫増大を認めた際,薬剤性を否定したうえでエストロゲン産生腫瘍の存在を疑い,悪性ブレンナー腫瘍もエストロゲン産生しうることに留意する必要がある。
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