臨床経験
若年婦人科がん治療後の骨量変化と治療効果の検討
吉田 加奈子
1
,
木内 理世
1
,
中川 奉宇
1
,
乾 宏彰
1
,
新居 真理
1
,
香川 智洋
1
,
門田 友里
1
,
笹田 ひかり
1
,
岩佐 武
1
K. Yoshida
1
,
R. Kinouchi
1
,
T. Nakagawa
1
,
H. Inui
1
,
M. Nii
1
,
T. Kagawa
1
,
Y. Kadota
1
,
H. Sasada
1
,
T. Iwasa
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部産科婦人科学分野
pp.91-96
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003282
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
当院で婦人科がん治療後に閉経となった54例を対象に,骨量と骨粗鬆症に対する治療効果について後方視的に検討した。診断の内訳は,子宮頸癌28例,子宮体癌12例,卵巣癌14例で,年齢中央値47.0歳,閉経年齢中央値は40.5歳であった。がん治療後に6例(11.1%)が骨粗鬆症,16例(29.6%)が骨量減少と診断された。治療法別にみると,両側卵巣摘出を含む手術のみ実施した30例,手術+化学療法を実施した10例,同時化学放射線療法(CCRT)を実施した12例,CCRT+化学療法を実施した2例において,骨密度に有意差を認めなかった。ホルモン補充療法(HRT),活性型ビタミンD3製剤などの骨粗鬆症治療により有意な骨密度増加は得られなかったが骨量は維持できていた。将来の骨折予防とQOLの維持という観点から早期のHRTの導入が有効である。
Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.