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傍頸管ブロックを極める 第1回 傍頸管ブロック―総論
中山 敏男
1,2,3
T. Nakayama
1,2,3
1医療法人財団順和会山王病院(副院長)
2同 女性医療センター産科・婦人科部門(部長)
3国際医療福祉大学臨床医学研究センター(准教授)
pp.1071-1076
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003114
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産婦人科領域における傍頸管ブロックの有用性が見直されてきている。これまでわが国において無痛分娩がなかなか浸透してこなかったように,痛くてあたり前のことだとして,あらゆる診察や処置を無麻酔で行うことに慣れてしまい,患者に痛みを我慢させることを当然のこととしてしまっていたのだと思う。産婦人科診療全般は内診台を使用して行われるため,誰しも羞恥心や恐怖心が前提としてあり,さらに診察や検査だけでも疼痛を伴うため,声かけや愛護的な操作でないと疼痛が増強することになる。内診だけでも痛がられるのにもかかわらず,無麻酔で内膜細胞診や頸管縫縮系の抜糸を行い,患者が内診台から立ち上がれなくなる場面に誰しも遭遇したことがあるのではないだろうか。傍頸管ブロックの使用を通じて,もう一度産婦人科診療全般における痛みを我慢させないことについて考えたい。
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