特集 多職種連携による婦人科がん治療の実践
5.緩和医療の婦人科がん治療における特徴と連携
佐藤 薫
1
K. Sato
1
1福島県立医科大学麻酔科学講座
pp.1021-1027
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003107
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日本の女性では子宮がん・卵巣癌は最近罹患率が増加している。がんは全体としては60歳台から増加する傾向があるが,子宮がんでは中高年で大きく減少し30~50歳台で増えている。特に子宮頸癌では若い年齢層での罹患律が高い。また,女性生殖器は小骨盤内にあり,進行がんでは近傍の直腸,膀胱,尿管へ直接浸潤することで多彩な症状がみられ,痛みは難治化する可能性がある。その一方で,子宮がんの5年生存率はその他のがんより高い傾向にあるため,治療と並行しながらの症状マネジメント期間も長くなる可能性がある。このように長期間持続する強い身体的な苦痛と,若年層を多く含む患者への心理社会的な苦痛に対し持続性のある対応と専門性のあるチームとの連携が必要であると考えられる。ここでは特に痛みに対する当院での取り組み,多職種との連携とそのアプローチについて述べたい。
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