症例
ホルモン療法が奏効した鼠径部子宮内膜症の1例
牛田 汐美
1
,
市古 哲
1
,
高木 博
1
,
松波 和寿
1
,
加川 葉月
1
,
川鰭 市郎
1
,
高杉 美絵子
2
,
竹田 太郎
2
,
今井 篤志
1
S. Ushida
1
,
S. Ichigo
1
,
H. Takagi
1
,
K. Matsunami
1
,
H. Kagawa
1
,
I. Kawabata
1
,
M. Takasugi
2
,
T. Takeda
2
,
A. Imai
1
1社会医療法人蘇西厚生会松波総合病院産婦人科
2同 放射線科
pp.979-983
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003093
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鼠径部子宮内膜症は,子宮内膜症の0.3~0.6%にみられるまれな疾患である。確定診断を得るうえでも,一般的な治療として外科的切除の有用性の報告がある。症例は41歳,右鼠径部の膨隆と月経時に増悪する痛みが出現。MRI検査で,右鼠径部とその頭側(円靭帯と近接)に約2cmのT2強調像で高信号の腫瘤を認め,月経時の症状とあわせて鼠径部子宮内膜症と診断した。患者が薬物療法を希望し,リュープリン® 1.88(リュープロレリン酢酸塩)(3カ月)により病変はほぼ消失した。その後,LEPおよびジエノゲストで再発なく経過している。手術を回避したい患者にとって,ホルモン療法が代替療法として有益であろう。
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