症例
成熟囊胞性奇形腫合併卵巣偽粘液腫破裂後の化学性腹膜炎により横隔膜交通症をきたした1例
塚原 春菜
1
,
厚井 知穂
1
,
米田 玲子
2
,
松本 耕太郎
3
,
前原 都
1
,
江頭 活子
1
,
上岡 陽亮
1
H. Tsukahara
1
,
C. Koui
1
,
R. Yoneda
2
,
K. Matsumoto
3
,
M. Maehara
1
,
K. Egashira
1
,
Y. Ueoka
1
1国家公務員共済組合連合会浜の町病院産婦人科
2同 病理診断科
3同 呼吸器外科
pp.521-526
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002962
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49歳,未経産。2カ月前に急激な下腹部痛と発熱を自覚したが,速やかに自然軽快した。突然の呼吸困難感と右胸痛を主訴に受診し,卵巣腫瘍破裂による化学性腹膜炎,横隔膜交通症が疑われた。呼吸器外科合同で,胸腔鏡下横隔膜縫合術および腹式左付属器摘出術を施行した。胸腔内には脂肪滴が散見され,腹腔内には破綻した卵巣腫瘍とともに多量の粘液性物質と脂肪組織を認めた。腫瘍内容物を除去し,胸腔内,腹腔内を多量の温生食で洗浄した。成熟囊胞性奇形腫合併卵巣偽粘液腫と診断し,現在まで術後2年再発なく経過している。
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