特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【各論】
Ⅰ 卵巣悪性腫瘍
1.上皮性卵巣癌
-e.プラチナ不応性,プラチナ抵抗性再発,late lineでの化学療法
長尾 昌二
1
S. Nagao
1
1岡山大学大学院医歯薬総合研究科周産期医療学講座
pp.1466-1471
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001963
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再発卵巣癌の治療戦略は1990年代に提唱された「プラチナ感受性の概念」をベースに構築されてきた1)。初回治療におけるプラチナ製剤の最終投与から再発の診断までの期間(platinum-free interval;PFI)によってプラチナ不応性再発(投与中~1カ月),プラチナ抵抗性再発(1カ月~6カ月),プラチナ感受性再発(6カ月~)に分類し,プラチナ不応性・抵抗性再発には殺細胞性薬剤を単独,プラチナ感受性再発にはプラチナ製剤を含む2剤を併用投与するのが一般的であった。しかし,診断技術の進歩に伴う再発診断の早期化,ベバシズマブ,PARP阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬などの分子標的薬の導入により,近年PFIを根拠にした治療選択は実情に合わなくなってきている2)。
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