特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み
II.ネガティブ・インパクトの回避に向けた取り組み
3.有棘糸を用いた子宮筋層縫合法
牧 尉太
1
J. Maki
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学教室
pp.243-248
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002890
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帝王切開は,われわれ産婦人科医が最も日常的に行う基本的な手術の1つであるが,難手術ケースも散在するため,術前のシミュレーションや熟達者との修練・指導が重要である。Barbed Sutureを子宮筋層縫合に使用することで,二層連続縫合の手術手順の運針操作を従来どおり行うことができ,かつ術者の習熟度を問わず子宮創部菲薄化予防を達成できる可能性が示唆される。ただし,帝王切開はあくまで手術であり,分娩時期のリスク評価・内診所見・分娩進行・胎児心拍陣痛図の正確な判読を行い,安易な手術選択を避け,帝王切開自体のリスクに鑑みることは言うまでもない。
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