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特集 人工材料・人工臓器
縫合糸
Surgical Suture Materials
青木 紀道
1
1弘前大学医学部付属病院手術部
pp.563-568
発行日 1991年7月20日
Published Date 1991/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900391
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はじめに
吸収性縫合糸は腸線カットガット,非吸収性縫合糸は絹糸とせいぜいナイロン糸に代表された頃に比し,現在は化学合成糸全盛となり,個々の目的に適した材質の縫合糸が創り出され,その種類も増加した.一方,手術の進歩はとどまることを知らず,複雑多岐な手術操作をこなすには組織に適した縫合材料を選び,たくみに使い分けてより完全な癒合と治癒をはかることが必要になってきたと考えられる.そのためには各種縫合糸の物理的特性や組織内性状などに知識を深め,より選択の幅を増やしておくことも必要であろう.筆者は泌尿器科手術には素人であり,使用適応などについては読者の判断におまかせするとして,拙文がその一助になれば望外の幸せである.
表1に現在試験段階のも含め使用されている縫合糸の種類と名称などを示した.本文はこの表にしたがって概説を加えてみたい.
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