特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅲ.CT・MRI診断 A.母体
癒着胎盤
松尾 聖子
1
,
小谷 友美
1
MATSUO Seiko
1
,
KOTANI Tomomi
1
1名古屋大学医学部産婦人科学
キーワード:
癒着胎盤
,
flow void
,
MRI
,
T2 dark band
Keyword:
癒着胎盤
,
flow void
,
MRI
,
T2 dark band
pp.264-266
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001856
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癒着胎盤
癒着胎盤は,産科危機的出血により妊産婦死亡につながる重要な疾患である1)。癒着胎盤の最大のリスク因子は既往帝王切開と前置胎盤である。帝王切開の増加により,1970年代には1/4,000の頻度であったが,近年では0.4%程度に増加している。癒着胎盤は筋層浸潤の程度により楔入胎盤(placenta accreta:絨毛が脱落膜を介さずに子宮筋層に癒着),嵌入胎盤(placenta increta:絨毛が子宮筋層に浸潤),穿通胎盤(placenta percreta:絨毛が子宮筋層を貫通して子宮漿膜や漿膜外に浸潤)に分類される。分娩前に正しく診断し,集学的かつ計画的な手術を行うことで,術中出血量の減少や臓器損傷の回避など予後改善が期待できる。治療法に関しては2018年のFIGO(International Federation of Gynecology and Obstetries)ガイドラインの参照が有用である2)。
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