特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅰ.超音波診断 J.流産・分娩後の超音波診断
RPOC
田中 佳世
1
TANAKA Kayo
1
1地域医療機能推進機構熊本総合病院産科婦人科
キーワード:
子宮内膜肥厚
,
胎盤遺残
,
胎盤ポリープ
,
子宮動静脈奇形
,
子宮仮性動脈瘤
Keyword:
子宮内膜肥厚
,
胎盤遺残
,
胎盤ポリープ
,
子宮動静脈奇形
,
子宮仮性動脈瘤
pp.217-219
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001847
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RPOC
retained products of conception (RPOC)は流産後や分娩後に認める胎児付属物組織の子宮内遺残を指すが,「産科婦人科用語集・用語解説集改訂第4版」に掲載されておらず,国内の正式な和訳は現時点ではない。用語集改訂第4版に掲載されているretention of the placenta(胎盤遺残)やplacental polyp(胎盤ポリープ)は,欧米ではRPOCとして包括されている。RPOCが特に臨床上問題となるのは,分娩後24時間から12週間までに生じる後期分娩後異常出血の原因となりうるためである。既報告では,後期分娩後異常出血の原因の33.3%がRPOCであったとされている1)。遠隔期の分娩後出血では,RPOCの診断の有無で緊急時の準備体制などが大きく異なる可能性がある。そのため,流産後や分娩後においては,入院中の流産・分娩後早期だけでなく,1か月健診などのフォローアップの外来の際にも,腟鏡診や双合診に加えて,超音波検査にて子宮内腔を評価しておくことが勧められる。
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