特集 発展する子宮鏡Ⅰ―レゼクトスコープ手術の神髄
子宮鏡手術
4.RPOCの診断と治療
中村 智子
1
T. Nakamura
1
1名古屋大学医学部産婦人科(准教授・医局長)
pp.481-484
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003389
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Retained products of conception(RPOC)は妊娠終了後も子宮内に残る組織で,超音波検査では,境界不明瞭な腫瘤や異常に豊富な血流が認められる。後期分娩後異常出血の主因で,特に致死的出血に注意が必要であり,その管理が重要になる。致死的出血においては,子宮動脈塞栓術(UAE)と子宮鏡下切除術(HR)が効果的である。HRでは,通電を最小限に抑えて正常子宮内膜と筋層を保護しつつ,遺残組織を切除する。術後子宮内癒着や子宮穿孔などの手術合併症を低減するためには,可能な限り子宮復古を待つことや子宮内壁を平らにすることを目標とすることなどが考えられる。

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