OBSTETRIC NEWS
Isolated oligohydramniosと周産期転帰
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.205-207
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100038
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羊水過少症の頻度は研究対象や羊水過少症の定義により異なるが,0.5~5%と報告されている(AJOG 147 : 407, 1983/AJOG 149 : 355, 1984).正常妊娠を対象としたMooreらの研究では約1%である(AJOG 162 : 1168, 1990).比較的しばしば遭遇する産科管理の難問であり,特に満期前の場合は管理に苦慮させられる.羊水過少症はしばしばほかの母児状態異常と合併(例 : 先天奇形,高血圧,糖尿病,満期前破水,子宮内胎児発育制限)する(Semin Perinatol 17 : 183, 1993).これらの合併症自体が胎児転帰悪化の増悪因子であり,羊水過少症合併妊娠の周産期不良転帰が単にそのほかの母児状態異常の続発症の結果なのか,または羊水量減少自体が不良転帰の原因なのか明らかではない.
羊水過少症があっても分娩時新生児酸素状態は不良ではないという研究が多数あり(AJOG 182 : 909, 2000/AJOG 180 : 1330, 1999/J mat Fet Med 7 : 197, 1998/AJOG 173 : 1166, 1995/J Perinatol 24 : 72, 2004),Obstetric Newsでも「ロウリスク妊娠の羊水過少症に誘発分娩は必要か?」という問題に関する研究を紹介した(臨婦産56 : 1, 2, 3月号,2002).
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