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妊娠と梅毒
三谷 靖
1
1長崎醫科大學
pp.41-45
発行日 1949年2月10日
Published Date 1949/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200164
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緒言
梅毒は早期に適當な治療を充分受けた時の外は體内に長く潜伏して治癒しない事が多い.梅毒に罹つている婦人が妊娠した時は胎兒も感染して屡々流早産の原因となり,又時には先天梅毒兒を分娩し,一方乳幼時の死亡率を高め,惡質劣等な子孫を作り,優生學上恐るべき結果を齎らすものである.之を豫防するには云うまでもなく梅毒の早期發見と早期充分加療が大切であるが,實際問題としては婦人では不識梅毒が多いため,何等感染した覺えがなくても,又何等症状がなくても梅毒に罹つているものが多いから,これによつて受けてゐる害毒は少くないのである.
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