特集 胎盤の科学がもたらす周産期疾患の新たな理解
9.胎盤機能不全に対する薬物治療:プラバスタチン
熊澤 惠一
1
K. Kumazawa
1
1東京大学産婦人科学教室
pp.1127-1132
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002732
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胎盤機能不全は妊娠高血圧腎症,胎児発育不全などを引き起こす。本来,高コレステロール治療薬であるプラバスタチンには多様な効果があり,胎盤機能を改善させる効果ももつ。われわれは動物実験で妊娠高血圧腎症,胎児発育不全に対しプラバスタチンが予防効果をもつことを示した。その後,ヒトでの臨床研究において,妊娠高血圧腎症の予防,胎児発育不全の予防,改善をする報告がされている。今後は臨床研究を積み重ね,より適切な投与方法の探索が必要となる。
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