診療
多囊胞性卵巣症候群の卵巣過剰刺激症候群を予防するためのレトロゾール,カベルゴリン,GnRHアンタゴニストの併用,およびトリガー前の高エストラジオール値正常化のためのレトロゾール投与
栁原 康穂
1,2
,
大野 基晴
3
,
田中 温
1
,
板倉 敦夫
2
Y. Yanagihara
1,2
,
M. Ono
3
,
A. Tanaka
1
,
A. Itakura
2
1セントマザー産婦人科医院
2順天堂大学医学部産婦人科学講座
3北千住ARTクリニック
pp.1047-1053
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002706
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生殖補助医療(ART)において重要な合併症である卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は,多囊胞性卵巣症候群(PCOS)で発症しやすいことが知られている。特にOHSSは排卵誘発法として高刺激法を選択した場合に発症することが多く,採卵のキャンセルや未成熟な卵子獲得につながる。そこでわれわれはレトロゾール,カベルゴリン,GnRHアンタゴニストを併用することで,PCOSに対して高刺激法を選択し,卵巣刺激中に血中E2値が高値,また多数の発育卵胞を認めた場合でも採卵後のOHSS発症を抑制できることを示した。さらに,高刺激法でのOHSS発症を防ぐことによりPCOS患者におけるARTの臨床成績が向上する可能性がある。
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