特集 エストロゲン依存性疾患の診療ストラテジー
3.子宮内膜症に対する妊孕能保存療法としての手術療法の役割
北島 道夫
1
M. Kitajima
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科
pp.983-988
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002696
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手術療法は子宮内膜症の治療法として有効な手段であるが,不妊症あるいは将来の挙児希望を有する女性では,癒着剝離などによる妊孕性の向上と同時に,手術操作による子宮・卵管・卵巣へのダメージを最小限にとどめる工夫が必要である。子宮内膜症性囊胞に対する手術処置は,不可逆的な卵巣予備能低下をきたすことがあり,発生機序や病態を考慮したアプローチとミニマムハンドリングに努めることが重要である。大きな囊胞では薬物療法を併用した2期的手術が効果的である可能性がある。
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