特集 エストロゲン依存性疾患の診療ストラテジー
4.子宮筋腫の発生病因とホルモン療法の意義
-―びまん性平滑筋腫症の紹介も含めて―
石川 博士
1
H. Ishikawa
1
1千葉大学大学院医学研究院生殖医学(講師)
pp.989-994
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002697
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子宮筋腫は多分化能をもつ子宮平滑筋幹細胞にドライバー遺伝子変異をはじめとした様々な要因が加わり発生し,エストロゲン,プロゲステロンにより増大する。ドライバー遺伝子変異として50%以上の筋腫にMED12の変異,10~20%にHMGA2の過剰発現がみられ,遺伝子ごとに筋腫の特徴とホルモン療法に対する反応性が異なる。GnRHアゴニスト・アンタゴニストは月経停止と筋腫の縮小をもたらすため,製剤の特性を踏まえて使い分ける。びまん性平滑筋腫症は,比較的小さな筋腫が無数に発生し正常筋層を置換する病態で難治性不妊を呈する。標準治療は子宮全摘のみであり,挙児希望がある場合は対応に苦慮する。
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